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Hitachi Global

取締役会について

取締役候補者指名の方針・手続

当社では、会社法の規定に従い、指名委員会が、取締役候補者を決定します。取締役候補者の決定にあたって考慮すべき取締役会の規模・構成、適性、社外取締役の独立性については、当社コーポレートガバナンスガイドライン第2条乃至第5条に以下のとおり定めています。

規模・構成

  • 意見の多様性と効率的な運営が求められることから、取締役会の員数は、20人以下の適切な人数とする。取締役会の経営監督機能及び意思決定機能の実効性を確保するため、取締役候補者の有する経験や専門知識等の多様性、社外取締役とそれ以外の取締役(執行役兼務者及び当社グループ出身の非執行取締役)の構成比等を考慮する。
  • 取締役会に新しい視点や意見が継続的にもたらされるよう、取締役候補者が当社取締役に就任してからの年数や年齢を考慮するものとする。
  • 指名委員会は、原則として、75歳に達した者を取締役候補者としない。但し、指名委員会が特別に認めた場合、75歳以上の者を取締役候補者とすることがある。また、指名委員会は、原則として、通算在任期間が10年を超える者を社外取締役候補者としない。但し、指名委員会が特別に認めた場合、通算在任期間が10年を超える者を社外取締役候補者とすることがあるが、この場合であっても、通算在任期間が12年を超える者を社外取締役候補者としないものとする。

適正

取締役候補者を決定する際、以下の事項を考慮する。

  1. 取締役候補者が、人格、識見に優れた者であること
  2. 社外取締役候補者が、独立性の判断基準を満たすことに加え、会社経営、法曹、行政、会計等の分野で指導的役割を務めた者または政策決定レベルでの経験を有する者であること

社外取締役の独立性の判断基準

指名委員会は、以下の事項に該当しない場合、当該社外取締役に独立性があると判断する。

  1. 当該社外取締役の2親等以内の近親者が、現在または過去3年において、当社または当社子会社の取締役または執行役として在職していた場合
  2. 当該社外取締役が、現在、業務執行取締役、執行役または従業員として在職している会社が、製品や役務の提供の対価として当社から支払いを受け、または当社に対して支払いを行っている場合に、その取引金額が、過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度当たり、いずれかの会社の連結売上高の2%を超える場合
  3. 当該社外取締役が、過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度当たり、法律、会計若しくは税務の専門家またはコンサルタントとして、当社から直接的に1,000万円を超える報酬(当社取締役としての報酬を除く)を受けている場合
  4. 当該社外取締役が、業務を執行する役員を務めている非営利団体に対する当社からの寄付金が、過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度当たり、1,000万円を超えかつ当該団体の総収入または経常収益の2%を超える場合

取締役会の構成(2025年6月時点)

上記に基づいて選任された取締役会の構成ならびに各取締役の有する経験・識見およびスキルは、以下のとおりです。
取締役会では、グローバル企業での経営、リスクマネジメント、法務、会計、政府・国際・教育機関、サステナビリティ、さらにはデジタル分野など、豊富な経験・知見を有する取締役により、多様な視点から議論が行われています。

[画像]スキル・マトリックス
[画像]取締役会の構成(2025年6月)

取締役会の運営状況

取締役会は、企業価値・株主共同の利益の継続的な向上のため、日立グループの経営の基本方針を決定し、執行役および取締役の職務の執行を監督します。経営の基本方針には、経営計画や年度予算などを含み、取締役会においては、法令、定款または取締役会規則に定める決議事項に加えて、経営の基本方針に関する戦略的な議論にも焦点を当てます。

2024年度は、2024中計の進捗報告に加えて、Inspire 2027の策定にあたり、その検討状況を複数回にわたって取締役会に報告することで、日立グループが将来めざすべき姿や、これを実現するための事業戦略について多くの議論を交わしました。また、生成AIに関するリスク管理や昨今の世界情勢を踏まえた地政学リスク等への対応についても広く議論・審議しました。

これらの経営の基本方針にかかわる戦略的な議論やリスクに関する議論に加えて、執行役社長兼CEOの諮問機関である経営会議で議論した重要事項を取締役会に報告し議論することで、経営の監督側と執行側との認識の共有を行っています。これらの議題においては、より活発な議論を行うため、議題の説明以上に意見交換に時間を割くこととしています。

2024年度の取締役会開催状況

2024年度取締役会実績
開催日数9日
平均議題数8.2議題/回
1日あたり平均開催時間2.9時間(最長5.8時間)

2024年度 主要テーマごとの説明/議論時間と比率(2025年3月31日までの実績)

[画像]主要テーマの議論状況
テーマ主な議論内容
CEOレポート資本政策関連の進捗、投資家対応 など
中計関連

次期中期経営計画

(経営計画「Inspire 2027」)

決算業績、事業環境、株主還元 など
リスクマネジメントコンプライアンス体制・運営状況、グループガバナンス体制、M&Aプロセス、AIリスク管理、会社リスク管理(ERM)、リスク案件のモニタリング など
戦略 など買収案件の進捗、研究開発、イノベーション、サステナビリティ、人財 など

ポイント

  • 取締役会の年間所要時間は前年度と同程度
  • 主要テーマのうち、経営計画関連の議題の回数、時間が前年度比で増加
  • 中期経営計画関連・戦略などでは質疑の割合が高くなる傾向、全体でも質疑の割合が増加傾向

社外取締役への情報提供

取締役会の実効性向上を図るため、取締役に対して、専用の情報共有ツールを活用し、取締役会および各委員会の資料に加え、事業運営上重要な情報を執行部門から適宜共有しています。さらに、必要に応じて個別のミーティングを設けるなど、タイムリーかつ的確な情報提供に努めています。

加えて、社外取締役に対しては、事業内容の説明やグループ内拠点の訪問、執行部門からの直接の情報提供などを通じ、事業理解と情報共有の機会を充実させています。当事業年度においては、Hitachi Social Innovation Forum、Hitachi Digital Summit、事業化発表会、研究所で開催される研究発表会への出席等を通じて、社外取締役による事業への理解を深めるとともに、経営幹部や現場の従業員との対話の機会を設けました。また、GlobalLogic (米国)、日立ハイテク (日本・米国)などの往査を監査委員で実施しました。

3委員会の活動内容

指名委員会

■主な活動内容

2024年度においては、定時株主総会に提出する取締役選任議案の内容に加えて、取締役会に提出する最高経営責任者選任案を決定したほか、将来の最高経営責任者候補の議論を行うとともに、2025年度の執行役体制について事前報告を受け、確認しました。また、経営リーダー候補の育成に向け、指名委員での議論やリーダー候補との個別面談などを実施しました。

2024年度の開催日数は9日です。

監査委員会

■主な活動内容

2024年度においては、三様監査(監査委員会・内部監査部門・会計監査人)の強化、リスク管理及び業務執行の妥当性の観点に基づいた内部統制システムの構築・運用状況の監査等を重点的な検討事項として活動しました。三様監査強化の具体的な取組として、監査委員会は、内部監査部門による監査計画や監査結果の報告を受け、必要に応じて、重点監査項目等について指示を行いました。また、会計監査人から、その監査計画及び監査の結果について報告及び説明を受け、これに基づき財務諸表監査及び内部統制監査の結果について検証を行いました。加えて、会計監査人の品質管理体制についても報告及び説明を受けるとともに、会計監査人の報酬について事前承認をしました。このほか、各部門のリスク・課題・機会等について執行部門から定期的に報告を受領し、グループ内拠点を訪問して調査活動を行いました。また、常勤監査委員は、経営会議等の社内の重要な会議への出席等を通じた適時的確な情報の把握等を行い、他の委員との情報共有を推進しました。

2024年度の開催日数は13日です。

報酬委員会

■主な活動内容

2024年度においては、取締役及び執行役の報酬内容決定の方針に基づき、固定報酬の額の査定や執行役の短期インセンティブ報酬について業績評価及び個人目標評価のプロセスと内容を確認・審議するなど、取締役及び執行役の個人別の報酬の額を決定しました。

また、グローバル企業としての競争力強化と企業価値の一層の向上を意識し、執行役の報酬制度について検討及び議論を重ね、2025年度よりCEO報酬水準の見直しを実施することとしました。これにより、グローバル市場において十分な競争力を確保することをめざしています。さらに、社会への価値提供に継続してコミットするとともに、新経営計画の達成を強力に推進する観点から、新経営計画に連動した役員報酬制度の導入を決定しました。なお、報酬委員会の審議においては、経営環境の変化や株主・投資家からの意見等を踏まえるとともに、グローバルな知見と経験を有する第三者機関から、必要な情報や助言等を得ています。

2024年度の開催日数は8日です。

最高経営責任者の選任・解任と後継計画

当社では、執行役の選解任については、指名委員会に事前報告した上で、経営における最適な業務執行体制を構築すべく取締役会が決定します。 最高経営責任者は当社コーポレートガバナンスガイドラインに定められているとおり、会社経営の分野における豊富な経験と実績を有し、当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な向上を実現するために最適と考えられる者であることを基本方針とし、指名委員会での事前協議と提案を踏まえて、取締役会が決定します。
最高経営責任者の後継者計画については経営環境の変化のスピードが加速する中で、グループ・グローバルに事業をリードし、成長戦略を具現化するために必要な経営人財を適時・適切に確保、育成する仕組みの構築をめざしており、将来の経営者候補の早期育成を目的に、選抜研修にも注力しています。そこでは、日立の成長には何が必要であるかを参加者同士で議論し、経営層に提言する場を設けることで、一人称で考え、志をもって行動できる次世代のリーダーを育成しています。

取締役会の実効性に関する分析・評価

当社は、取締役会の機能の維持・向上に継続的に取り組むために、毎年、取締役会全体の実効性を評価することとしています。

2024年度の評価プロセス

評価項目
1.各取締役による調査票に基づく自己評価の実施(2025年2月)
  • 取締役会の役割
  • 取締役会の構成(構成員の多様性、社外取締役・社内取締役の数・比率等)
  • 取締役会の運営(取締役と執行役の関係性、議案・時間配分・開催頻度の適切さ等)
  • 委員会の活動状況(構成、役割、取締役会への報告等)
  • 取締役への情報提供(取締役会資料、事業に関する情報提供等)
  • 取締役自身の貢献(事業・グループアイデンティティの理解、取締役の経験・知見の発揮、チームワーク等)
  • 取締役会による貢献(議長の役割、最高経営責任者の後継計画への貢献、社外PRや投資家との対話等)
2.社外・非執行取締役による議論(2025年3月)
  • 社外・非執行取締役による会合において、上記1の各評価項目における取締役会の活動実績を参照しながら、取締役会の実効性について議論
3.取締役会での議論と総括(2025年4月)
  • 各取締役の自己評価結果及び社外・非執行取締役による会合での議論に基づき、前年度の評価結果との比較や取組みへの対応状況も踏まえ、取締役会において、全体としての実効性を分析・評価し、実効性のさらなる向上のための対応方針を確認

評価結果と今後の取り組み

評価結果
2024年度における全体評価
  • 当社の取締役会においては、構成の多様性が確保され、中長期的な企業価値の成長に向けて、経営計画など経営戦略に関する事項を中心に、各取締役はそれぞれの知見や経験等を生かした発言を行い活発な議論が行われており、全体としての実効性が確保されていると評価
今後の取り組み
コーポレートガバナンスのさらなる強化・取締役会のさらなる実効性向上
  • 取締役会は、中長期的観点から経営方針等について、より一層活発な議論を継続して行う
  • 取締役会での議論に加え、CEOが認識する課題を中心に自由に意見交換する場を設定し、取締役会と執行側の認識の共有をさらに促進する
  • 社外・非執行取締役が、CEO/経営リーダー候補の選抜状況を適宜共有し、候補者の育成の取り組みに一層の支援を行う
取締役会に関する運営支援強化、実務面の改善
  • 事業説明、グループ内拠点訪問等、取締役が当社の事業を理解する機会のさらなる拡充
  • 会議資料・説明内容のさらなる改善
投資家との対話
  • 投資家とのエンゲージメントの機会を設け、対話を通じた株主との相互理解を深める

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