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Hitachi Global

R&Dビジョン2026

先端AIが牽引するLumada 3.0の進化と、革新的技術が創出する社会イノベーション

2026年2月24日

研究開発


 

平素より日立グループへ格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。「2026年 日立技術の展望」の発行にあたりご挨拶申し上げます。

近年、気候変動に伴う災害の激甚化や少子高齢化に伴う深刻な人手不足といった従来の社会課題に加え、重要物資のサプライチェーン分断や技術覇権争いによる経済安全保障リスク、さらには先端AI(Artificial Intelligence)がもたらす情報信頼性低下や産業構造の変容など、地政学と技術革新が複雑に交錯する新たな課題が顕在化し、人々の暮らしや経済活動を取り巻く不確実性は、かつてないほどに高まっていると言えます。こうした時代だからこそ、多様なステークホルダーの皆さまとの共感と協創を大切にし、イノベーションで社会課題を解決していくことが、一層重要になっています。

2025年、日立は新しい経営計画「Inspire 2027」を始動しました。本計画では、日立はイノベーションを通じて社会をトランスフォーメーションすることにより、環境、幸福、経済成長が調和する社会の実現をめざしています。この実現に向け、Lumadaの事業成長を軸としてデジタルセントリック企業への変革を加速するとともに、事業を横断した「One Hitachiプレミアム」の創出により、持続的成長に挑戦してまいります。

日立はIT×OT×プロダクトを強みとし、Lumada事業を拡大してきました。ここ数年急速に進化した、生成AI、Agentic AI、フィジカルAIなどの先端AIは、LumadaをLumada 3.0として強化する重要なイネーブラです。特に、AIによる社会インフラの革新を行うソリューションをHMAXTM by Hitachiとして、パートナーエコシステムを活用することで、拡大・展開していきます。これらの事業成長を牽引するコア技術として、先端AIをドメインナレッジとデジタライズドアセットから得られる膨大なデータで学習させるとともに、今まで培ってきた物理モデル、シミュレーションなどを組み合わせIWIM(Integrated World Infrastructure Model)を構築しています。ミッションクリティカルシステムで必須となる、安全性を担保するガードレール技術の開発、利用者の受容性を向上させるデザインを組み合わせ、社会インフラ革新を加速します。

また、One Hitachiで新たな社会イノベーションをお届けするため、2025年に戦略SIB(Social Innovation Business)BUを創設しました。AIの爆発的な利用拡大により需要が高まるデータセンター向けの環境配慮型クーリングソリューション、eMobilityソリューションなど、成長市場のニーズに応えるソリューション開発を加速しています。

さらなる将来の課題については、将来の科学や技術のブレークスルー候補から、次の転換点をバックキャストし、AI for Scienceも駆使しつつ、量子コンピュータ、宇宙センシング、合成バイオ、核融合関連の革新的な技術開発を進めていきます。パートナー、スタートアップ、アカデミア、各種ステークホルダーのエコシステムを構築し、次の社会イノベーションの柱創生にチャレンジしています。

日立は、近代化で日本が劇的な変貌を遂げる時代に、小平浪平によって創業されました。それから一世紀余りを経た現代、先端AIをはじめとした技術革新や地政学の変化で、社会や産業のあり方が大きく変わろうとしています。私たちは、日立の企業理念「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」の下、One Hitachiでの挑戦を続けてまいります。

「2026年 日立技術の展望」では、ミッションクリティカル領域の社会インフラを支える技術からバックキャスト型の将来技術まで幅広くご紹介しています。お客さまやパートナー企業、アカデミアとの協創を通じてイノベーションを推進し、「ハーモナイズドソサイエティ実現に貢献する」日立グループのさらなる事業成長と、次なる技術の展開にご期待ください。

 

日立製作所
執行役常務CTO兼研究開発グループ長

鮫嶋 茂稔 執行役常務CTO兼研究開発グループ長

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