2026年2月24日
株式会社日立システムズは、コンテナ型データセンターのラインアップを用途別の3種の標準モデルにリニューアルし、提供を開始した。コンテナ型データセンターは、一般的なデータセンターと比べて短期間、低コストで構築でき、増設や移設が容易という特長がある。3種の標準モデルとすることで、ニーズや用途に合わせて効率的に導入することが可能となり、顧客は生成AI(Artificial Intelligence)の活用など事業拡大に向けた取り組みを迅速に推進できる。
具体的には、以下の3種の標準モデルを提供している。
(1)生成AI利用向け「高負荷サーバモデル」
(2)自社内での機密情報保持などに適した専用環境向け「サーバルームモデル」
(3)キャリア基地局向け「エッジコンピューティングモデル」
今後はコンテナ型データセンターの拡販を推進し、2027年度までに累計100億円の売上をめざす。また、自社のマネージドサービス群「Hitachi Systems Managed Services」や全国約300拠点の保守員などと連携し、コンテナ型データセンターのセキュリティ監視・運用および導入後のサポートなどをトータルで行う。さらに日立製作所とも連携してOne Hitachiでグリーンデータセンター実現に向けた取り組みを加速し、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速やサステナブルな社会の発展に貢献していく
(提供開始時期:2025年5月)
(株式会社日立システムズ)
[1]生成AI利用向け「高負荷サーバモデル」の全体(左)およびIT機器を収めたコンテナ部(右)の3D(Three Dimensions)モックアップイメージ
日立システムズは、公共・社会インフラ、金融、産業・流通業界などで培った業務ナレッジと生成AIを融合し、各業種の固有業務を自動化する「アシスタントAIサービス」の提供を開始した。このサービスは、フロントラインワーカーの生産性向上に貢献する。
第1弾は「製造業向けアシスタントAI」である。本サービスは、Microsoft社のAzure AI Foundry Agent Service*を活用し、社内データと生成AIを組み合わせて、設計図の品質チェックや過去のヒヤリハットの把握など、製造業特有の業務を効率化する。これにより、製造業のフロントラインワーカーの業務効率化、技術継承、労働災害未然防止などに寄与する。
また、第2弾として「営業向けアシスタントAI」の提供も開始しているほか、今後はヘルスケアやプロジェクト支援の領域にも展開し、2027年度中にアシスタントAI関連で100億円の売上をめざす。
[提供開始時期: 2025年8月(製造業向けアシスタントAI)、2025年10月(営業向けアシスタントAI)]
(株式会社日立システムズ)
[2]製造業向けアシスタントAIの特長
日立システムズは、単木単位で樹種やサイズ(樹高、胸高直径、立木幹材積※1))、CO2固定量※2)といった森林の情報を可視化する「森林調査DXサービス」の提供を開始した。本サービスは、ドローンやAI解析ソフトウェアを駆使することで、人手による調査よりも短期間で安全かつ安価に調査することを可能にし、全国の地方公共団体や森林組合などの林業事業体が抱える人手不足をはじめとした課題の解決に貢献する。また、本サービスによって取得できる森林情報は、長期的な森林管理の計画に寄与するとともに、創出できるカーボンクレジット量の推定にも活用できる。
全国約300拠点のネットワークを活用し、地域社会や地球環境にとって重要な資源である森林の保護に取り組む林業事業体を中心とした日本全国の企業や団体へサービスを提供する。また、本技術の海外展開をめざすとともに、カーボンクレジットの創出から取引までを包括的に支援するなど、サービスの拡充を図ることにより、地域活性化およびネイチャーポジティブへのさらなる貢献に取り組んでいく。
(提供開始時期:2025年3月)
(株式会社日立システムズ)
※1)樹木の高さ、およそ胸の高さでの幹の直径、幹の体積。
※2)樹木が成長する過程で吸収し、固定する二酸化炭素の量。
[3]森林調査DXサービスの流れ
日立システムズは、兵庫県内の水道事業体と連携して水道管の劣化状態をAIで分析する実証実験を2025年1月から3月に実施した。具体的には、複数の水道事業体が保有する水道管の管種や敷設年度などの諸元データ、漏水履歴をはじめとした各種データを基に、AIを用いた「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」によって水道管の劣化要因と漏水発生の可能性を分析した。
その結果、水道管の劣化の要因は敷設年度だけでなく、管種、管路延長、水圧、地盤などにもあることを確認するとともに、さまざまな要因に基づく漏水発生リスクのある水道管を抽出した。これにより水道事業体は、限られた人員・予算の中で漏水発生リスクの高い水道管から優先順位をつけて水道管の更新を計画できるようになり、より効果的、効率的な水道管の更新によってさらなる水の安定供給の実現を見込める。
この結果を基に、日立システムズは今後「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」による水道管更新作業をはじめとした水道事業体の業務の高度化、効率化に貢献していく。
(株式会社日立システムズ)
[4]漏水発生リスクを敷設年度に応じて色分けした管路図(左)とAIを活用した水道管の劣化状態分析結果で色分けした管路図(右)
注:実際の実証実験のマッピング結果を参考に作成したサンプル画像である。
量子コンピュータの実用化が迫る中、量子コンピュータにより従来の公開鍵暗号が短時間で解読されるリスクが高まっている。RSA(Rivest-Shamir-Adleman)などの公開鍵暗号はインターネット通信の保護やマイナンバーカードの証明書などで広く使われているため、ITシステムを有するすべての企業で対策が必要になる。日本でも金融庁が2025年5月に、預金取扱金融機関へ耐量子計算機暗号への早期移行を要請した。
一方で、ITシステムで公開鍵暗号技術を使用する箇所は多岐にわたり、移行には暗号技術と用途の知見が必要となる。
そこで株式会社日立ソリューションズは2025年10月より「耐量子計算機暗号への移行に向けた支援サービス」の提供を始めた。本サービスでは顧客に代わり、システムが暗号技術を使用している箇所を調査・分析し、クリプト・インベントリ(暗号技術の使用箇所の一覧)の作成、量子コンピュータに対する耐性、リスクの評価および移行計画策定をワンストップで支援する。
(株式会社日立ソリューションズ)
[5]耐量子暗号への移行に向けた支援サービスの概要
近年、労働災害の発生件数は増加傾向にあり、安全対策は人命保護の面で極めて重要である。また、ひとたび労働災害が発生すると、その対応を優先することにより、通常の業務遂行が困難となる可能性もある。現場では作業の手順を守る、点検を行うなどのルールが存在するが、特に危険ポテンシャルの高い場所において、ルールの不順守による接触事故が多数発生しているといわれている。
「リアルタイム解析ソリューションパッケージ」は、フォークリフトと人の異常接近や一時停止違反、特定領域進入の危険行動をリアルタイムに検知し、警告を行うものである。これにより、施設内の事故を予防し、検知シーンの動画や検知結果の統計を活用することで、危険行動の分析や従業員の安全意識醸成を実現する。
リアルタイム解析ソリューションパッケージの特長は以下のとおりである。
(1)フォークリフトと人との接近検知や一時停止違反、特定領域進入などの危険行動をリアルタイムで警告する。
(2)あらかじめフォークリフトと人を学習済みのため、追加学習なしですぐに利用できる。さらに追加学習により、検知対象を追加することも可能である。
(3)単眼カメラのみで距離測定を実現したことにより、低コストで的確に危険行動を検知できる。
本ソリューションの導入により、リアルタイムな警告により事故を未然に防止できるほか、危険行動シーンの動画、検知結果記録から危険行動が発生しやすい場所・日時の傾向を把握したり、発生したシーンの動画を従業員の安全教育に使用するなど、安全に対する啓発活動に活用することが可能である。
[6]リアルタイム解析ソリューションパッケージの活用例