2025年2月6日
山形県東根市を対象に許可取得し、高精度な予測システムを軸に流域治水向けソリューションを強化、対象地域の順次拡大をめざす
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、気象庁から「洪水予報業務」の許可*1を取得しました。対象地域(山形県東根市)の河川水位、浸水区域、浸水の深さに関する予報業務* 2を行えるようになります。これは、日立の「流域治水 浸水被害予測システム」(以下、本システム)の洪水予測方法や予測の精度が、気象業務法施行規則に定める技術上の基準に適合していることが認められたものです。なお、洪水の予報として、河川水位だけでなく、浸水区域および浸水の深さの予報を行う許可を取得したのは、日本で初めてです。
日立はこれまで、山形県東根市とともに本システムを活用したリアルタイム洪水予測と避難・緊急活動へのシミュレーション技術活用に関する共同研究*3を2022年6月から9月まで実施し、その有効性を確認しています。また、本システムについては、予報を伴わないシミュレーション機能を用いて青森県では2023年4月から運用中*4であり、秋田県では2025年春から運用を開始*5するなど、日立は流域治水向けのソリューションを積極的に展開しています。今後、洪水の予報業務許可の対象地域を拡大していくことで、技術的に裏付けされた本システムと、それに基づいた洪水予報サービスを全国の自治体へ広く展開し、水害の被害軽減への貢献をめざします。
気候変動などの影響から水害が頻発・激甚化する傾向にあり、洪水に関する予報への国民や企業のニーズが増加しています。こうした中、2023年5月に気象業務法が改正され、洪水などの予報業務に民間事業者が参入しやすくなるよう制度が整えられました。
予報は国民生活や企業活動に密接に関わることから、技術的な裏付けのない予報が広く社会に発表された場合の社会的な混乱が危惧されます。そのため、気象業務法第17条第1項の規定により、気象庁以外の者が気象、地象、津波、高潮、波浪または洪水の予報業務を行う場合は、気象庁長官の許可を受けなければなりません。こうした中、日立は本システムを用いた洪水被害の軽減への貢献をより拡大するため、洪水の予報業務許可を気象庁に申請し、このたび、認められました。
本システムは、企業向けに納入実績のある株式会社日立パワーソリューションズのリアルタイム洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood*6」の技術を活用しています。山形県東根市の「令和2年7月豪雨」当時の最大浸水深*7について、本システムを用いたシミュレーションと国土地理院による推定を比較した場合、適中率は62%、捕捉率は99%という結果が得られました。(下図参照)
山形県東根市の「令和2年7月豪雨」当時の最大浸水深について、 本システムによるシミュレーションと国土地理院による推定の比較
2024年8月に、新たな「水循環基本計画」*8が閣議決定されました。これからは、健全な水循環に向けて、水災害の最小化をめざす「流域治水」、水の恵みの最大化をめざす「水利用」、水でつながる豊かな環境の最大化をめざす「流域環境の保全」による「流域総合水管理」が必要となります。こうした中、IT、OT*9、プロダクトを活用したLumada*10ソリューションを提供する日立は、水総合プロバイダーとして、AIやデジタル技術などを活用して、「流域総合水管理」に貢献していきます。
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎシステムを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaシステムを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。
株式会社日立製作所 水・環境ビジネスユニット