2025年4月17日
「慣性力」を作り出すパワーコンディショナ「グリッド・フォーミング・インバータ」習志野事業所で運用開始
株式会社日立産機システム
習志野事業所に実装したグリッド・フォーミング・インバータの設備
株式会社日立産機システム(以下「日立産機」)は、次世代のパワーコンディショナ*1「グリッド・フォーミング・インバータ(GFM)」の開発に取り組んでおり、このほど設備を習志野事業所(千葉県習志野市)内に実装し、2025年4月より運用開始しました。GFMは、再生可能エネルギー(以下、再エネ)発電の普及により不足が見込まれる「慣性力」を疑似的に作り出す機能を持ち、安定した電力供給を実現する技術です。お客様との協創により先行的な社会実装を進め、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向けて今後見込まれるエネルギーミックスの変化に対応したレジリエントな電力供給に貢献します。
日本の交流電源の周波数は東日本 : 50Hz、西日本 : 60Hzに分かれており、電力需給バランスの変化によって周波数が変化します。周波数を一定に保つことができないと、電力で稼働する機器の動作が不安定になり、最悪の場合は大規模な停電に繋がることがあります。通常は電力需要に合わせて供給をバランスさせることで一定に保たれています。
火力発電のように重量の大きなタービン発電機には、周波数を一定に維持しようとする「慣性力」があり、系統内の需要(または負荷)の急な変動や他発電機の脱落等で生じる周波数の急な変化を抑制します。一方で、CN実現のために再生可能エネルギーの増加が見込まれるにつれて、火力発電所の活用頻度の低下により電力系統の慣性力が不足することが懸念されています。
GFMは疑似的に慣性力を補う機能を持つため「仮想同期発電機制御(VSG)インバータ」とも言われており、電力系統の安定化とCN実現を両立する重要な技術です。
またGFMは自ら系統を作り出す機能を有しており、複数台のGFMが自律的に協調して自立系統を作り出せる特長があるため、企業・自治体におけるマイクログリッド*2構築など、電力レジリエンス向上も期待されます。
習志野事業所に太陽光発電設備を新設54kW、既設27.9kW、合計81.9kW設置し、太陽光のエネルギーを優先的に使用するシステムを構築することで、年間39.2t-CO2の温室効果ガス削減を計画しています。システムは以下の2つの部分から構成されており、系統が停電しても自立的に動作できる機能を備え災害に対するレジリエンスに優れたシステムとなっています。
GFMの技術詳細と、習志野事業所の実装設備について映像でご紹介していますので、併せてご覧ください。
日立産機システムについて
日立産機システムは、コンプレストエア、グリッドエッジ、ドライブ、マーキングをはじめとする高効率なプロダクトを通じて、データセンター、バッテリー、電子・半導体、医薬など多様な業界の生産性向上に寄与しています。革新的なソリューションや、メンテナンスからリサイクルに至るまで製品ライフサイクルを通じたサポート、そして最新のデジタル技術によりお客様に最大限の価値をお届けするとともに、持続可能な社会の実現にも貢献しています。
お問い合わせ先
池田 洋二
株式会社日立産機システム
受変電・配電システム統括本部 交直グリッド開発プロジェクト