2026年3月24日
(本件は、スイス・チューリッヒにおいて、
3月23日に発表しました。)
株式会社日立製作所
日立エナジー
株式会社日立製作所と日立エナジーは、重要なエネルギーインフラを保護しつつ運用効率の向上を支援するAIサービス・ソリューション群「HMAX Energy」を提供開始しました。日立エナジーは、信頼関係を基盤とするお客さまとのサービス・パートナーシップを通じてHMAX Energyを提供し、お客さまのエネルギーインフラの運用に関する「計画(Plan)」「予測(Predict)」「予防(Prevent)」を支援することで、エネルギー安全保障とレジリエンスの強化を実現します。
近年、多くの産業分野で電化が進むと同時に、電力消費の大きい新産業が成長する中、送配電網の高度化のニーズは急速に高まっており、その投資規模は1兆ドルとも言われます*1。また、多くの国の送配電設備の大部分は想定寿命をすでに超過しており、今日の需要に対応できるよう設計されていません*2。一方で、送配電設備のサプライチェーンは逼迫しています。そのため、既存設備の稼働率を高め、寿命を延ばすことがかつてないほど重要になっており、パートナーシップの価値も一層高まっています。
こうした課題に対応するため、日立エナジーは「HMAX Energy」の提供を開始しました。これは、AIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX」ポートフォリオにおける最新の取り組みです。HMAX by Hitachi*3は、Lumada 3.0を体現するソリューション群としてエナジー、モビリティ、産業分野などを対象に展開します。
HMAX Energyは、バリューチェーン全体にわたる深いドメインナレッジと最先端のAI技術を組み合わせたサービスで、開閉装置や変圧器などの単体機器から、変電所、高圧直流送電(HVDC)などの高度なシステムまでを対象としています。お客さまの技術選択に柔軟に対応できるよう設計した、モジュール型で安全性にも配慮したHMAX Energyの提供内容は、次の3本柱で体系化しています。
AIを活用したデータモデルの推奨により、運用・保全部門が根拠に基づく意思決定と計画立案を支援します。
接続された設備と環境データを解析し、摩耗の初期兆候を把握するとともに、異常な挙動を検出・通知します。
定期点検と、AIで高度化した性能・シミュレーションモデルを、現場の専門チームが支援しながら活用することで、重要設備の残存寿命を最大化します。
HMAX Energyの提供イメージ
HMAX Energyは、確かな導入実績に基づいて設計されています。不具合による緊急対応や、高額な修理を未然に防止することで、変圧器故障に起因する収益損失を最大60%削減できることが示されています。また、早期検知により変圧器故障を50%低減し、修理コストを最大75%削減することも可能となり、設備運用の効率化と送配電網の可用性向上に貢献します *4 *5。
日立エナジーのサービスビジネスユニット担当役員であるウルフ・ミュラーは、「老朽化した送配電設備は、急増する電力需要、複雑性の増大、サプライチェーンの制約、人財不足など、複数の課題が同時に押し寄せる中で、かつてない圧力にさらされています。HMAX Energyを提供することで、私たちはお客さまと協働して重要インフラを守り、故障の予兆をいち早く把握し、電力の信頼性を維持します。」と述べています。
HMAX Energyは、インフラの設計・建設から運用・サービスに至るまで、現場で実証された技術を基盤としています。例えば、HMAX Energyの一部であるIdentiQ®のような高圧直流送電(HVDC)システム向けデジタルツインの活用により、インシデント対応時間を最大90%短縮できる可能性があります*6。世界最長級の海底HVDC連系線の一つであるバルティック・ケーブルは、HVDCシステム向けにデジタルツインのデータプラットフォームを導入しました。このプラットフォームは、設備情報、分析、運用データを分かりやすいビジュアル画面に統合し、システムの状態、ライフサイクル、性能、将来の状態予測をリアルタイムに可視化します。
バルティック・ケーブルのテクニカルディレクターであるヤン・ブリューヴィッツは、「バルティック・ケーブルは、全ての人にとって安全で、利用しやすく、持続可能なエネルギーを備えた、相互につながる欧州の実現に取り組んでいます。日立エナジーとの戦略的な協業により、当社はシステムの運用をこれまで以上に精緻に管理できるようになるとともに、今後数十年にわたってそのレジリエンスを強化することができます。」と述べています。
イタリアを代表する再生可能エネルギー事業者であるERGは、デジタル化によりハイブリッド開閉装置の運転パラメータを現地で監視し、設備の可用性と全体パフォーマンスを向上させています。モニタリングソリューションは、開閉装置のあらゆる性能データを収集・分析し、イタリア共和国・ローディにある日立エナジーのコラボレーションセンターで評価します。同センターは24時間365日のリアルタイムサポートと製品に関する専門知識を提供する戦略的サービス拠点であり、ERGの設備に関する状態監視とプロアクティブな保全戦略を可能にし、現場点検に費やす時間を35%削減しています。
ERGの南イタリアおよび島しょ地域のメンテナンス責任者であるフランチェスコ・イングラッシアは、「HMAX Energy によるデジタル監視の活用は、設備の可用性とパフォーマンスの向上に寄与しており、当社の保全戦略に欠かせない要素となっています。」と述べています。
商標注記
会社名、製品名は、各社の商標、または登録商標です。
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。
日立エナジーについて
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来を支える革新的な送配電網技術を提供する、グローバルな技術リーダーです。当社の技術は、30億人以上の人々の生活を支えています。高電圧機器、変圧器、自動化、パワーエレクトロニクスなどのミッションクリティカルな技術を100年以上にわたって提供しており、電力システムの脱炭素化と電力需要の急増への対応という、エネルギー分野の喫緊の課題に取り組んでいます。140カ国以上の豊富な導入実績を有し、電力、産業、運輸、データセンター、インフラの各分野のお客さまと、長期的なパートナーシップを築いています。スイスに本社を置き、60カ国に50,000人以上の従業員を擁しており、約2兆4,000億円の事業規模を有しています。
日立エナジー関連リンク