2026年4月6日
匠の技とデジタルをつなぎ、スマートファクトリー化を見据えた次世代の製造現場を支える「デジタル匠」人財の育成強化
株式会社日立製作所
日立工業専修学校
サイバーとフィジカルを融合した先進教育システム「Cyber-Physical Lab」
株式会社日立製作所(以下、日立)のモノづくり人財育成機関である日立工業専修学校は、2026年4月より、デジタル空間(サイバー)と実際の製造設備である現場(フィジカル)を連携させた先進教育システムである「Cyber-Physical Lab(以下、CP-Lab)」*1を日本で初となる全面(フルセット)導入し、次世代のモノづくりを担う人財育成に向けた新たな教育カリキュラムを開始します。本取り組みにより、製造現場のスマートファクトリー化を見据え、従来の匠の技とデジタル技術の知見を併せ持つ、次世代の製造現場を支える「デジタル匠」人財の育成をより一層強化していきます。
日立工業専修学校は、日立創業と同年の1910年に徒弟養成所として創立され、以来115年、1万人を超えるモノづくり人財を日立グループに輩出しています。技術教育にとどまらず、人づくりを重視した教育を通じて、現場で活躍し、モノづくりのプロとして世界で活躍する人財の育成を続けています。
日立グループは、経営計画「Inspire 2027」のもと、ドメインナレッジとAIを用いてデータを価値に変換する Lumada 3.0 の取り組みを進めており、現場のデータから得られたAIの分析・判断を、ロボットの制御や設備の自動操作といった具体的なアクションにまでつなげるフィジカルAIを用いて、社会インフラの変革と課題解決に取り組んでいます。新カリキュラムの導入は、こうした日立グループの事業の方向性を人財面から支える取り組みであり、フィジカルAIの社会実装と社会課題解決への貢献を加速します。
人口減少に伴う労働人口の減少が進む中、製造現場を支える人財の確保・育成は、産業全体の競争力を左右する重要なテーマとなっています。製造業では、サプライチェーンの不確実性や現場の管理コスト増大などの課題への対応として、現場データを起点に経営・業務課題を捉え直し、製造プロセス全体の最適化をめざすスマートファクトリーの取り組みが加速しています。こうした変革を進めるには、製造部門に閉じた改善にとどまらず、データ連携を前提に関係部門を巻き込んで全体最適を設計・推進できる人財が不可欠であり、その育成ニーズが一段と高まっています。
日立は、モノづくりの現場で培われる技能や品質へのこだわりを次世代へ確実に受け継ぎながら、デジタル技術を掛け合わせて新たな価値創出につなげる「人づくり」を長期的な視点で進めています。
新カリキュラムは、製造現場のスマートファクトリー化を担う人財育成ニーズに応えるため、デジタル技術の学習と実機を用いた実習を組み合わせた教育プログラムです。
CP-Labを日本で初めてフルセット導入し、現場(フィジカル)とデジタル(サイバー)をつなぎ、データに基づくモノづくりプロセスの改善・最適化を継続できる知識・スキルの習得を図ります。具体的には、現場から収集できるセンサーデータが、MES(製造実行システム)やERP(企業資源計画)などの上位システムに連携・集約され、現場の状況把握から工程改善、全体最適へとつながる仕組みを体系的に学習します。導入のゴールは「装置を使えるようになること」ではなく、「現場から収集されたデータによって最適化された次世代のモノづくりプロセスを設計・管理できる人財」を育てることにあります。
従来の2D教育に加えて、3D-CAD*2/CAM*3教育を実施します。具体的には、3D-CADシステムで生成した設計データをもとに、設計物の製造に向けた、CAMによる製造機械の動作制御プログラムの作成を学習します。さらに、従来の旋盤にコンピューター制御機能が加わったCNC旋盤*4を活用した実機実習も行うことにより、設計から加工指示・加工まで、モノづくりのDXを一貫して学習します。
顧客からの細部にわたる要望や周囲環境に応じた溶接作業をロボットが行う次世代の現場の実現に向け、ロボティクス教育を導入し、長年培ってきた熟練技術者の知見の継承と先端テクノロジーを掛け合わせた教育を実施します。具体的には、デジタル技術を活用して、人が培ってきた溶接の技能をロボットに学ばせる方法を学習します。ロボットを操作する技術だけでなく、品質を左右するポイントを理解したうえで作業内容を伝える力を身につけることで、熟練技能とデジタル技術の両方を兼ね備えた人財を育成します。
日立は、大専卒人財や中途採用者も含めたモノづくり人財全体施策として、株式会社日立アカデミーをはじめとする日立グループ内の教育機関を通じて、スマートファクトリー化を牽引するためのデジタル技術のリスキル・アップスキルを進めています。また、今後自治体や大学等の教育機関とも連携し、日立地区をモノづくり人財育成の拠点とし、より高度な学びができる場所へと進化させる、地域共創の取り組みも推進していきます。
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。