2026年6月11日
(本件は、英国・ロンドンにおいて、
6月10日に発表しました。)
日立エナジー
AxoniQ™は、高度な保護、接続、制御ソリューションにより、より強じんで効率的、かつ相互接続された電力システムに向けて、次世代の多端子直流送電網の実現を支援します。
日立エナジーは、多端子直流送電(Multi-Terminal Direct Current、以下MTDC)システム向けの包括的なソリューションポートフォリオ「AxoniQ™(アクソニック)」の提供開始を発表しました。世界の電力需要が加速的に増加する中、MTDCシステムは安全かつ経済的で、持続可能な電力供給を実現するうえで重要性を高めています。
再生可能エネルギーの導入が加速し、電力システムの相互接続が一層進む中、MTDCシステムは複数端子間および異なる電力市場間で電力潮流を動的に制御し、混雑緩和とレジリエンス向上に貢献します。あわせて、送電網プロジェクトの計画、調達、実行の迅速化も支援します。複数の電源と需要地点を接続することで、電力を必要な場所へ的確に届けることができます。
国際機関である欧州送電系統運用者ネットワーク(ENTSO-E)の「Offshore Network Development Plans 2024」報告書*1は、2040年までに欧州が洋上再生可能エネルギーの大規模に拡大する局面に入り、大規模な送電網の拡張とハイブリッド送電網の早期整備が必要になると指摘しています。MTDCシステムを採用すると、2040年の想定シナリオで、送電容量は最大約3倍に高まります。
2040年の想定シナリオと同等の容量と信頼性を確保するには、多額の設備投資が必要です。一方、設備や資産の最適化により、変換所に加え、電力ケーブルや送電線、用地や材料の使用量も抑えられ、社会と環境の双方に配慮した持続可能なエネルギーシステムの実現につながります。
AxoniQの発表は、直流送電網における相互運用性向上に向けた重要な一歩です。各国政府や送電系統運用者は、再生可能エネルギーの大規模導入、国境を越えた連系の強化、エネルギー安全保障の向上をめざし、完全電化社会に向けた送電インフラへの投資を世界的に加速しています。
AxoniQポートフォリオは、先進のパワーエレクトロニクスと制御技術を組み合わせたもので、次の3点で構成されています。
最先端のパワーエレクトロニクスソリューションで構成されるAxoniQは、電力の流れのリアルタイムな切り替え、故障した区間の迅速な切り離し、電力供給の継続を可能にします。これにより、広域送電網への影響を最小限に抑えながら、高コストな停電リスクを回避します。また、相互運用性を前提に設計されたAxoniQは、今後数十年にわたり、直流送電網の持続可能な拡張を支えるよう進化を続けます。
日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニットCEOであるニクラス・パーソンは、「再生可能エネルギーの拡大と需要パターンの変化に伴い、電力系統はますます複雑になっています。AxoniQは、直流送電網の進化を大きく前進させ、次世代のHVDCシステムの実現を可能にします。これにより、送電系統運用者は再生可能電力をより高い信頼性と経済性で統合し、送電網のレジリエンスと送電効率を向上できます。日立エナジーは、今必要とされる新技術を切り拓き、将来の繁栄を支えていきます。」と述べています。
AxoniQポートフォリオは、送電の強化、周波数変動や系統電圧の管理、容量制約への対応を通じて電力システムを安定化する、日立エナジーの完全統合型ソリューションポートフォリオ「Grid-enSure®」の一部です。AxoniQの名称は、神経細胞(ニューロン)の一部で、細胞体から他のニューロンや筋肉、腺へ電気信号を伝える「軸索(axon)」に由来しています。生体における電気信号を伝達する仕組みと同様に、AxoniQも複数の電源と需要地点の間で効率的に送電する役割を果たします。より応答性が高く、強じんで、相互接続されたエネルギーシステムを支える重要な基盤として機能します。
AxoniQは、日立エナジーの10年以上にわたる研究開発の成果です。これは、将来のHVDCシステムの相互互換性と相互運用性を設計段階から実現することをめざし、送電事業者(TSO)や主要な業界プレーヤーと連携してきた取り組みを通じて示されています。
日立エナジーについて
日立エナジーは、現在そして今後25年間のエネルギー需要に応えるべく、電力の時代を支え、次の未来を切り拓くグローバルリーダーです。日立グループのエネルギー事業部門として、先進的かつミッションクリティカルな技術で、30億人以上の人々の生活を支えています。当社は、100年以上にわたるイノベーションを通じて、エネルギー分野の喫緊の課題に取り組んでいます。それは、現在、そして次世代のために、豊富で安全、経済的かつ持続可能な電力を確保するため、世界のエネルギーシステムの進化を推進することです。世界140カ国以上での豊富な導入実績を有し、電力、産業、データセンター、交通の各産業分野のお客さまと長期的なパートナーシップを築いています。スイスに本社を置き、60カ国で56,000人以上の従業員を擁し、約2兆4,000億円の事業規模を有しています。
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日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざし、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.com/ja-jp/をご覧ください。