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Hitachi Global

2026年9月24日

日立レール、「Enhanced by HMAX」を発表

2027年以降に受注するすべての車両へHMAX技術を標準搭載

[画像]日立レール、「Enhanced by HMAX」を発表 2027年以降に受注するすべての車両へHMAX技術を標準搭載

 株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業を担う日立レールは、鉄道向けHMAXソリューション「HMAX for Rail」(以下、HMAX*1)を、車両、信号システム、インフラ、運行管理に展開する新たな取り組み「Enhanced by HMAX」を発表しました。これにより、AIおよびデータ活用技術を鉄道システムと運行管理に組み込み、世界の鉄道事業者の運営高度化を支援します。

  • 1 HMAX by Hitachi: AIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群。フィジカル・デジタル両方のアセットから得られる膨大なデータを活用し、先進的なAIと日立のドメインナレッジを掛け合わせ、社会インフラが抱える課題解決に貢献する。HMAX for RailはHMAX Mobilityに属し、鉄道分野におけるHMAXソリューションをさす。
    HMAXについて: https://www.hitachi.com/ja-jp/products/digital/hmax/

 また、日立レールは2027年以降に受注するすべての車両に独自のHMAXセンサー技術を標準搭載していきます。対象となる車両には、日立レールの代表的な高速鉄道車両である「ETR1000」を含みます。

 HMAXセンサーは、車両の重要機器からリアルタイムでデータを取得します。これにより、鉄道事業者は車両性能を継続的に監視し、異常の兆候を早期に把握するとともに、車両ライフサイクル全体にわたる保守業務や運行の最適化を実現できます。2024年のInnoTransでHMAXを発表して以降、日立レールのHMAXセンサー技術は約2,500編成の車両に導入されています。さらに、現在の受注状況を踏まえると、今後数年間で導入車両数は約3,500編成に拡大する見込みです。HMAX for Railは、列車、信号システム、インフラから得られるデータを統合・標準化し、一元的に管理する日立レールのデジタルアセットマネジメントプラットフォームです。NVIDIAをはじめとするパートナー企業の先進的なAI技術やエッジコンピューティング技術を活用することで、従来の事後対応型の運用から、データに基づく予兆型の意思決定への転換を実現します。

 今回発表した「Enhanced by HMAX」は、こうしたデータ活用の価値をさらに拡張し、車両、信号システム、インフラ、運行管理を含む鉄道システム全体に統合的なソリューションとして展開するものです。

日立レール グループCEO, Giuseppe Marino(ジュゼッペ・マリノ)のコメント

 「来年以降に受注するすべての車両にHMAXを標準搭載していくという方針は、デジタルアセットマネジメントが現代の鉄道車両の性能、信頼性、運行効率の向上において、極めて重要な役割を果たしていることを示しています。『Enhanced by HMAX』は、デジタルモビリティへの移行を推進する当社の取り組みをさらに前進させるものです。AIとリアルタイムデータ活用を鉄道システム全体に組み込み、車両、インフラ、運行を単一のデータプラットフォームで接続することで、お客さまが保有するアセットや運営からより大きな価値を創出できるよう支えていきます。」

運行管理と保守をリアルタイムで統合

 「Enhanced by HMAX」の重要な要素の一つとして、日立レールは統合運行管理センター(iOCC:Integrated Operations Control Center)の機能強化を進めています。これにより、運行管理部門と保守部門との連携をさらに深め、日々の運行サービス管理とアセットパフォーマンス管理の間に存在していた従来のギャップを解消します。

 HMAXで高度化されたiOCCでは、運行管理担当者が保守担当者と同じアセット健全性データを活用できるようになります。これにより、アセットの劣化が運行サービスに影響を与える前に対応が可能となります。これまで情報共有に用いられてきた会議や表計算ソフト、電話連絡に代わり、HMAXは鉄道システム全体から収集されるデータをリアルタイムで分析し、優先順位付けを行います。その結果、運行管理部門は障害発生時に迅速な対応が可能になると同時に、保守作業の実施判断や作業指示も支援されます。ネットワーク全体の状況を単一の画面で把握できるため、関係部門間のリアルタイムな情報共有が実現し、より迅速かつ高度な意思決定が可能となります。これにより、鉄道サービスの信頼性、効率性、レジリエンスを向上させるとともに、ライフサイクルコストの低減にも貢献します。

Enhanced by HMAX 活用事例①:信号システムと運行管理の高度化

 HMAXへの継続的な投資は、鉄道運営全体における新たなイノベーションの創出にもつながっています。

 例えば、日立レールによるNVIDIA Omniverse*2の活用は、当初の架線監視向けシミュレーション環境の構築から発展し、現在では自動運転トラム(路面電車)技術にも広がっています。

この技術は、お客さまによる自動運転トラムプログラムの実現を支援しています。システムは、1メートル未満の位置精度を実現する次世代自律測位技術(NGAP*3)と、慣性計測装置(IMU*4)、レーダー、LiDAR*5、ステレオカメラ、全球測位衛星システム(GNSS*6)から得られる情報を統合したセンサーフュージョンアルゴリズムによる障害物検知・分類・追跡技術を組み合わせています。これらの技術を支えるAIモデルは、NVIDIA Cosmos*7やNVIDIA Metropolis Blueprint for Video Search and Summarization(VSS)*8を活用した鉄道シミュレーションデータを用いて開発されています。これにより、カメラ映像などから周囲の状況を認識・判断する高度なAIを実現しています。さらに、NVIDIA Omniverseにより、実際の運行データを長期間収集することなく、多様な運行条件や異常時のシナリオを想定した学習・検証を効率的に行うことが可能です。

 このアプローチにより、地上設備の削減、導入・保守コストの低減、旅客輸送能力の向上、最適な速度制御によるエネルギー効率の向上など、多くのメリットを実現します。

  • 2 NVIDIA Omniverse:NVIDIAが提供するデジタルツインおよびシミュレーションプラットフォーム。
  • 3 NGAP(Next Generation Autonomous Positioning):車両の位置を高精度に把握するための次世代自律測位技術。
  • 4 IMU(Inertial Measurement Unit):加速度や角速度を測定し、車両の位置や向きの推定に活用する慣性計測装置。
  • 5 LiDAR(Light Detection and Ranging):レーザー光を利用して周囲の物体までの距離や形状を高精度に測定するセンサー。
  • 6 GNSS(Global Navigation Satellite System):GPSをはじめとする複数の衛星測位システムを利用して位置情報を取得するシステム。
  • 7 NVIDIA Cosmos: NVIDIAが提供する、シミュレーションデータ生成やAIモデル学習を支援するオープンな世界モデル。
  • 8 NVIDIA Metropolis Blueprint for Video Search and Summarization(VSS): NVIDIAが提供する、映像データの検索・要約や状況認識を支援するAI開発基盤。

Enhanced by HMAX 活用事例②:HMAX架線監視ソリューション~データ解析時間を最大10日からリアルタイムへ短縮~

 HMAXは鉄道インフラ向けソリューションにも活用されています。その一例が架線監視ソリューションです。本システムでは、営業運転中の列車に搭載されたカメラ映像を車上コンピューティングで処理し、架線設備の状態を自動的に監視します。従来は、1日分の映像データを解析するために、手作業によるデータ抽出やクラウド処理を経る必要があり、最大10日程度を要する場合がありました。現在は、NVIDIA IGX ThorをHMAXプラットフォーム上で活用することで、データをエッジ側でリアルタイムに解析し、異常の可能性がある情報のみを送信できるようになりました。これにより、鉄道事業者は問題発生時により迅速かつ効果的な対応を行うことができ、設備障害による運行への影響を最小限に抑えることが可能となります。

HMAX for Railの主な効果

 HMAX for Railは、アセット寿命の延伸と不要な保守作業の削減により、鉄道事業における総保有コスト(TCO)の低減に貢献します。一般的に、鉄道運営コストの約50%は保守およびエネルギー関連費用が占めるとされており、HMAXはこれらの領域の最適化を目的として設計されています。実際の導入事例では、一部のお客さまにおいて、保守コストを15%、エネルギー消費量を15%削減した実績があります。

商標注記

 記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

日立製作所について

 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざし、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.com/ja-jp/をご覧ください。

日立レールについて(英語サイト)

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ニュースリリースカテゴリー

デジタル・AI, 鉄道・モビリティ

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