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Hitachi Global

未経験から知財のプロフェッショナルへ。周囲のサポートと学び続ける姿勢が拓いた道

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2026.04.01

芝野 杏奈

キーワード:

知的財産マネジメント, 新卒入社

就職活動を機に知的財産権(以下、知財)に興味を持ったことから、幅広い事業領域を持つ株式会社日立製作所(以下、日立)知的財産マネジメント職として入社した芝野 杏奈。現在は社会インフラや公共システムに関わる業務を担当しています。産休・育休を経て活躍する芝野に日立で知財業務を担うおもしろさを聞きました。

理系の知識を「知財」で生かす。新卒入社から10年、グローバルな視点で挑む知財のプロ


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学生時代、応用物理学を学んでいた芝野。就職活動時は理系の知識が生かせる職につきたいと考えていました。

「就職活動のイベントで知財業務について話を聞いたところ、学部卒・院卒に関わらず理系の知識を生かしながら活躍されている方がたくさんいることを知り興味を持ちました。そこで知財部の社員の方に話を聞いたり、知財に関する本を読んだりして業界に対する理解を深め、知財業務を志すようになりました。

 

もう1つ、就職活動の軸となったのがグローバルな視点を持つ企業であること。私自身学生時代から海外の方と文通をするなど世界を身近に感じていたほか、知財業務を調べる中で各国に制度があることを知り、海外の知財活動も視野に入れている企業で働きたいと考えました。とくに日立は業務領域が広く、幅広い仕事ができるのではないかと思い入社を決めました」

2015年の入社後、最初の2年間は指導員について粒子線治療システムの知財業務を担当。その後は原子力、上下水道、電力などの社会インフラ系の知財業務に携わります。2回の産休・育休も挟み、現在は電力関係の知財業務に加え、公共システムの知財業務も担当しています。

「知財業務は幅広いのですが、現在、私はその中でも大きく3つの業務を担っています。1つめが発明創生・権利化です。アイデアを明細書に落とし込んで特許庁に提出し、特許権取得につなげる作業を指します。

2つめは知財情報を分析し、その結果を戦略に活用するIPランドスケープです。競争が盛り上がっている分野や競合がいない領域を見つけ出し、関連部署に情報を提供しています。

3つめは知財契約です。お客さまと事業を行う上で、お互いに必要な権利が持てるように契約を支援しています。 基本的には各個人が担当分野の業務を担っていますが、社員それぞれがさまざまな専門性を持っているので、相談事は持ち寄ってチームで解決できる体制が整っています」

入社から10年、知財業務に携わってきた所感を聞きました。

「基本的な考え方はどの知財業務においても変わりません。しかし、分野によってお客さまの方針などが異なるので、知財契約などではそれをうまく汲み取ってお客さまも日立も納得できる落としどころを考えるように心がけています。

 

また、知財業務にはトレンドもあると感じます。基礎になる法制度の枠組みは大きく変わりませんが、その時の技術の進化によって知財の位置づけや考え方も変わっていくんです。そのトレンドをキャッチアップして対応しなければならないのは大変なことでもあり、知財業務のおもしろさでもあります」

知財で人と技術をつなぐ。IPランドスケープが新たなプロジェクトを生み出す瞬間


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知財について深い知識がないまま入社した芝野ですが、周囲のサポートもあって着実に知識を身につけることができたと振り返ります。

「日頃の指導はもちろん、社外の研修なども紹介してもらい、知識を身につける機会がたくさんありました。また周囲に弁理士資格を持っているメンバーも多かったので、勉強方法を教わって、私自身入社3年目に無事弁理士資格を取得することができました。

また、学生時代に学んだ理系の知識については、生かせたところもあるし、そうでもないところもありますね。論理的な考えができることや特許を出願する上で発明者の方から技術内容を聞く際に、『基礎知識があってよかった』と感じることは多々あります」

そんな芝野が仕事をする上で大切にしていることとは。

「入社10年目の今もまだまだ日々勉強という気持ちです。新しい業務をするたびに学ぶことがありますし、お客さまと関わる上で『こうやって説明すれば納得していただけるんだな』と気づくこともあります。引き続きさまざまな経験をして、学びを次に生かすことを大切にしたいですね」

知財にはさまざまな業務がありますが、中でも芝野はIPランドスケープの業務で印象深い経験をしたと語ります。

「知財の業務というとまず発明創生・権利化が思いつくと思います。これは研究開発の過程でその成果を特許として形にするものです。一方、IPランドスケープは事業の初期フェーズ、立ち上げフェーズに携われることが新鮮です。

実際、社会インフラ系の業務でIPランドスケープとして事業部門のメンバーに情報を提供した際、『今こんな状況だから、こんなところを検討してみたらいいかもしれません』『日立の中にもこんな関連特許がありますよ』と詳しく紹介したところ、非常に興味を持ってもらえて。『次はこのテーマでも調べてみてよ』とさらに追加で依頼をもらうことができました。

提供した情報をきっかけに日立内の遠く離れた発明者同士を引き合わせたり、情報が検討の材料になって役に立ったりすることがすごくうれしかったですね」

新しいプロジェクトを始めるにあたって、「今日立が持っているものは何なのか」を可視化することも、芝野たちの役割なのです。

身の回りの社会インフラに貢献できている実感。日立の知財業務で得られる充実感


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自身のやりたかった業務につけていると語る芝野に、日立で働く魅力について聞きました。

「もともと生活により身近な社会インフラシステム系の知財業務をやりたいと思っていたので、今はそれに近い仕事ができていて充実した日々を送っています。大手企業だからこそ、一個人では決して触れることができない大きなシステムに携われることが日立で働く魅力にもつながっています。

とくに社会インフラシステム系では原子力、上下水道、電力分野など日頃自分が何気なく使っていて、身の回りで社会を支えているものに自分が貢献できている実感がやりがいにつながります。蛇口を捻って水を出した時にも、『日立の技術がここに生きているんだな』と実感できることは大きな喜びです」

一方で日立の知財部門の魅力についてはこう語ります。

「日立の知財部門は、大所帯でさまざまな事業の知財業務に取り組んでいるのですが、そんな中でも情報の連携がスムーズに行われていることが強みだと思います。

日頃は事業領域が広いので他の部門の知財業務をしている人の業務がなかなか見えませんが、他部門でも活用できそうな情報があると積極的に共有し合う文化があるんです。人数が多く、一人ひとりの業務が見えにくいからこそ、意識的に情報交換をする文化が根付いていると感じます」

働く環境についても、芝野は日立のカルチャーに魅力を感じています。

「知財業務では自分の担当業務を一通り受け持つので、自分の考えに沿って業務を進めていくことができます。上長や同僚のサポートを受けつつ、自分の考えを生かして仕事に臨みやすい雰囲気です。

また、日立は大手企業でありながら変化に柔軟な文化があると思います。時代の流れに合わせて流動的に部署内の体制も変わって、企業の進化を体感できます」

また芝野は2回の産休・育休も取得しており、サポート体制は万全だったと振り返ります。

「合計2年半取得しましたが、取得中に業務内容について問い合わせがくることもなく、子育てに専念できる環境を整えてもらいました。復帰後も『困っていることはないですか?』『業務で調整した方がいいことはありませんか?』と定期的に上長が気にかけてくれているので、無理なく仕事と家庭の両立ができています」

「芝野に相談してみよう」と思われる存在へ──日立の挑戦を後ろから支える知財業務


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自身のバックグラウンドを生かしながら、日々学び続ける芝野が次なるステージへの想いを語ります。

「担当している事業部門の方が知財について迷った時、『芝野に相談してみよう』と思ってくれるような存在になりたいです。そのためにはもっともっと知識を身につけて、自信をつける必要があります。まだまだ伸びしろがたくさんあると思うので、知識や経験を貪欲に身につけていきたいです。

そのための一歩として、私は1つの事業部門を極めるのではなく、より幅広い分野で経験を積んでみたいと思っています。いろいろな事業部門で経験を積むと、どこに行っても持っている知識の中から必要なものを取捨選択してうまく活用していけるようになると思うからです。産休・育休復帰後は公共システムの知財業務も新たに加わったので、まずはこの分野についてより深く知っていきたいですね」

知財部門の視点から、芝野は日立という会社の未来像についても思いを巡らせます。

「挑戦に寛容な日立だからこそ、これからもさまざまな取り組みにチャレンジしていくような企業であってほしいです。私たちは知財業務を通じて日立の新しい挑戦を後ろから支えていくことができたらうれしいです」

最後に進路やキャリアについて検討されている方々へ芝野がメッセージを送ります。

「日立の知財部門では、積極的に手を挙げて発言したり、つねに『おもしろいことをやってみよう』という気持ちで仕事をしたりしている人がとくに活躍していると感じます。発言した意見が必ずしも採用されるわけではありませんが、物怖じせず考えを発信できる人を私は尊敬しています。

知財業務は新しい技術を発明している人々に話を聞くことができる、とても刺激的な仕事です。私はとくに理系大学で学んできたバックグラウンドがあるので、技術的な内容を理解し、より深いコミュニケーションが取れることにおもしろさを感じています。これまで知財に興味がなかった方にも、この記事をきっかけに興味を持っていただけたらうれしいです」

※ 記載内容は2026年2月時点のものです


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