2026.06.01
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2025年12月8日、株式会社日立製作所(以下、日立)は社内イベント「日立のふしぎを紐解く〜キャリア入社者から見た「日立」〜」を開催しました。
日立では、ジョブ型人財マネジメントを推進する中、事業の成長・拡大を踏まえ、即戦力として活躍可能な専門性を有する人財を獲得するため、キャリア採用を拡大してきました。2015年度に150名だった採用数は、2023年度に新卒採用と同規模の600名に増加し、中計初年度となる2025年度には、初めて新卒採用を超える930名を採用する計画となりました。
こうしてキャリア入社の社員が増える中、本イベントは、新しい仲間が感じる「日立のふしぎ」をあえて言葉にし、社内の相互理解を深めることを目的に企画されました。会場とオンラインをあわせて多くの社員が参加し、大いに盛り上がった当日の様子をレポートします。
〈登壇者プロフィール〉
楠木 建|経営学者。一橋大学特任教授。専攻は競争戦略。著書に『楠木建の頭の中 戦略と経営についての論考』『絶対悲観主義』など。
松村 祐土|日立 代表執行役 執行役常務。森・濱田松本法律事務所の経営責任者を経て2024年入社。2025年4月より現職。
浅倉 靖之|日立 Generative AIセンター所属(現:HMAX&AI推進センター)。農業機械メーカー、外資系IT企業での勤務を経て2025年7月に入社。
渡辺 滉大|日立 金融デジタルイノベーション本部所属。2021年に新卒採用で入社。SEとしてシステムの提案や構築を担当。
司会を務めたのは、自身もキャリア採用で日立へ入社した代表執行役 執行役常務の松村。進行役を担いながら、自ら議論の中心に立ち、現場と同じ目線で語り合う。この姿勢には、経営層として変革を本気でリードしようとする強い意志が表れています。
イベント開催にあたり、松村から本企画の趣旨が語られました。
松村:日立で長年キャリアを積んできた皆さんにとってはごく自然の慣習や行動も、他社を経験した社員から見ると「不思議だな」と思うこともあるかもしれません。
このちょっとした違和感を前向きに共有し、お互いの視点を尊重しながら、日立のカルチャーをアップデートしていくきっかけができればと考えています。その結果、「真の One Hitachi」(※)の実現につながることを期待しています。
会場には、新卒入社・キャリア入社ともに幅広い社歴の社員約300名が集合。リアルタイム投票システムを使い、参加者の共感度を可視化しながらセッションがスタートしました。
※ 「真のOne Hitachi」とは、日立グループ全体のIT・OT・プロダクトなどの多様な事業領域を横断的に統合し、事業間がシームレスに連携して新たな価値を創出する姿を指す概念です
本イベントを企画したのは、日立グループ公認のキャリア入社者コミュニティ「MCS(Mid Career Supporters)」です。コアメンバーの武田 卓也より、イベントを企画した想いが語られました。
武田:当社へキャリア入社した社員から、日立用語や独特の文化に馴染むまで苦労したという声をよく聞きます。こうした「日立のふしぎ」をみんなで語り合い、キャリア入社した方だけでなく、新卒から勤続している方も「これは日立独自だったのか」と気づくきっかけになればうれしいです。
そして「こういうことまでオープンに話していいんだ」という実感を通じて、日立の懐の深さが伝わればと思っています。
事前に集められた100件以上の「ふしぎエピソード」の中から、まずは「用語」に関する声が紹介されました。
〈ふしぎエピソード〉
・メールのあて名や組織名を略称表現する
※ 例:(松村) 、(お)、(中部) など
浅倉:略称については、前職の外資系IT企業でも、組織名やプログラム名称、サービス名については文字数削減という実利的な理由で活用していましたね。
苗字の括弧については、「もともとは手書きで名前をまるで囲んで敬称としていたものを、PC上で括弧で代用した歴史がある」という背景が紹介されました。こうした独自の文化について、楠木氏は経営学的な視点から分析します。
楠木氏:どの組織も、外部の人が聞いたらわからない略称があると思います。略称を使う理由は効率化ですが、それとは別に「符丁」というのがあります。
符丁は、その組織やコミュニティに特有のもので、効率化という機能的な目的を持たずに文化的に生まれているものです。「同じコミュニティにいる」というつながりを強化しているとも言えます。
続いて、より範囲の広い「文化」についてのエピソードが紹介されました。
〈ふしぎエピソード〉
・打ち合わせに参加する人数や部門が多い。
・自分の落ち度を認めて改善につなげる「落穂拾い」の精神がある。
浅倉:打ち合わせに出る人数が多くなるのは、事業も関係していると思います。日立はミッションクリティカルな社会インフラを支える事業を展開しているので、情報共有を徹底し、万全を期して物事を進めるところがありますね。
渡辺:私もSEとしてお客さまと打ち合わせする際にこの状況に出くわすことがあります。あらゆる質問に万全の体制で答えられるよう、エキスパートを加えていった結果、参加人数が増えてしまうのだと思います。
一方で「落穂拾い」という言葉に象徴される、失敗から経験を拾い、自分の落ち度を認めて改善につなげる精神については、日立らしさを感じるという投票が8割以上を占めました。楠木氏もこの点に注目しています。
楠木氏:規模の大きな会社に共通して見られる普遍的な特徴はあると思いますが、「落穂拾い」のような習慣は、他の大企業にはなかなか見られません。これは日立に固有の、まさに「文化」と呼べるものだと思います。
イベント中、終始盛り上がりを見せていた参加者同士のチャット。松村はその1つを紹介し、最後にこう締めくくりました。
松村:寄せられたコメントの中には、「日立用語や独自のルールも、私が日立で働いている最大の理由であり、日立にいるということがウェルビーイングの源泉です」という声もありました。
このように前向きに捉えている人もいれば、違和感を覚える人もいる。それぞれに多様な想いを抱えているのだと、まず知ることが大事です。本イベントを通じてさまざまな意見が出たことで、異なる角度から「日立のふしぎ」について考える良い機会になったのではないかと思います。
採用が拡大し、多様なバックグラウンドを持つ仲間が増えている今。「日立のふしぎ」をオープンに語り合う参加者の姿が、変革の兆しを感じさせるイベントとなりました。
※ 記載内容は2025年12月時点のものです